ヤケクソな節分 | やめるのやめた

ヤケクソな節分

 節分の日、先週3日の出来事である。

 我々1年1組は、図工の時間に自分で作った鬼のお面をかぶり、各自弾薬(豆)を持ち出陣した。

 鬼が豆をまくのは変なのだが、自分の心の中の鬼を退治するという目的であるからして良いのである。つまり一人一人が、「おこりんぼ鬼」、「なきむし鬼」などのように自分の直したい部分を名前に付け、お互いにやっつけ合うのである。

 子どもたちは勿論、何故か俺のテンションも最高潮。被弾防止にゴーグルを着用。盛り上げる為にアコギを抱え、最初のターゲット2年生の教室へ。

 事前に知らせていたので、2年生は豆がもらえると大喜び。そこが甘いっちゅうねん!ただで喰わせるか!喰らえ~!ってなテンションで、教室に落花生が飛び交う地獄絵図。

 ふと見ると、「おこりんぼ鬼」は、やっぱり豆を当てられて怒っている。
 「なきむし鬼」は、目に豆が当たったと泣いている。
 「めんどくさがり鬼」は、豆をまくのもかったるそうにテキトーにやっている。

 「くいしんぼ鬼」は、ひたすら落ちている豆を拾っては自分の袋へ入れている。

 ウォー・イズ・オーヴァー。

 2年生との健闘を称え合い、次は5年生の教室へ。

 ガラッと戸を開けると、教室の真ん中へ通された。

 しかも奴ら全員、豆を隠し持っている。嵌められた・・・。

 四方八方から集中放火されてしまう。

 しかも相手は5年生。

 1年生のちびっ子が敵うはずもない。

 ここは俺が外に回って援護射撃するしかない。

 とにかく赤い彗星っぽい奴を潰しておくべきだと思い、サッカークラブのやんちゃ坊主を集中攻撃。

 夢中になりすぎて気が付くと、後ろからガンガンに豆を当てられている。

 あまりに大量なので、ふと振り向くと、1年生がニコニコしながら俺に豆を当てている・・・。

 お前達を助けてるのに意味ないじゃん!

 お前ら天才すぎだ。

 ウォー・イズ・オーヴァー。

 テンションが上がっているのでヤケクソになり、

 5年生のリクエストに応えて担任の女教師をギター侍で斬る。

 大うけである。

 そしてこの後も異様なテンションで校内中を、ちび鬼軍団と豆まき。

 いろんなところでギター侍をやらされ、恥もヘッタクレもあったもんじゃない。

 全校を回り、教室に帰ってくると、みんなクタクタであった。

 「豆なくなっちゃった。」なんてなことを言ってる子が多い中、

 「くいしんぼ鬼」の豆袋は何故か出発時の3倍くらいに膨れていた。

 彼女の節分は、「豆まき」ならぬ「豆拾い」なのであった。

 この日の終わりに体調の異変を感じた。

 2日後、壊滅的な熱病に魘されることになろうとは、この時点では知るよしもなかった。

 B型のワガママ鬼が内に入ってしまったのね・・・。