やめるのやめた -27ページ目

世界は焼きそばだ

 金曜日は雪で休校となったのだが、給食室は大変である。
 食材はもう届いてしまっているのだ。
 その数1000人分。

 この日のメニューは焼きそばの予定だった。
 かくして1000人分の麺をゴミにしないように職員で分けてくれとの指令が下された。
 給食室にはビニール袋に詰められた生の麺が並んでいた。
 1つの袋の大きさが人の頭ぐらいある。

 それを2袋もらって帰ってきたのだが、ものすごい量である。
 これから毎日焼きそばだ。

 俺にとって世界は焼きそばと言っても過言ではない。

 記念すべき第1回は土曜の朝のアンチョビ焼きそば(うまかった)。
 第2回は同日夜の納豆焼きそば(まずかった)。

 そして今から第3回焼きそば大会を催すのである。

 それにしてもなかなか減らない。
 誰かなんか簡単でうまい焼きそばの作り方知りませんか?


飛んでった記憶

 昨日はやっぱりすごいメンツだったのだよ。

 1番目のキヨステにまずやられた。
 天気雨の歌がやたらと良い。

 んで自分たちの出番。
 中音が何となく迫力に欠けてやりづらかったが、新曲やってて楽しかった。
 観てくれた人には評判良かったので、まあ良しとする。

 さて問題のダムダム団。
 鈴木とペイントされたTシャツを着たドラムの鈴木くんは、

 常識を覆すドラミングとMCでワタクシを魅了した。
 もう酔っぱらうしかない。

 リーファーが始まる頃にはもうすっかりできあがりである。
 前述したようにフジヤマにミサイルを観てたせいもあって、やたらと酒が進む。

 打ち上げでは、知らない人ばかりだと遠慮してしまうが、

 今回は歯止めがない。

 ガンガンに飲んでフラフラ。
 ヘルシンキ様さんとタクシーで帰ってきたことは覚えているが、

 打ち上げ後半はほとんど覚えてない。


 サヨナラ記憶力。


 また何か懺悔することになるかもしれん。
 でもね先生、楽しかったのだよ。


がまくんとかえるくん

 一度もお手紙をもらったことがないとヘコんでいるネガティブながまくんに、かえるくんというナイスガイがお手紙を書いてあげるという国語の教材がある。

 昨晩は、今日の授業の為に必死に気合いの入った教材を作ったので、やや寝不足。

 朝、電話が鳴った。
「今日は雪で休校です。」
 寝言は寝て言えダボ!
 今日から閉鎖明けでやっと子どもたちに会えるっつーのに。

 寝ボケながら、カーテンを開ける。
「何じゃこりゃあ!」

 すげえなぁ。楽しいなぁ。子どもたちと雪合戦してぇなぁ。
 ・・・って、休校じゃできねぇじゃん。
 せっかく授業の準備したのも何だったんだか・・・。


 まあいいや。今日はライブもあるし体調整えて、ついでにベースも直しちまおう。

 
 がまくんとかえるくんは月曜日まで封印だ。

音楽室のQUEEN

 6年生の男2人が、
「休み時間に音楽室に来てくれ」
 と、しょっちゅう声をかけてくる。
 ちびっ子のお世話に追われなかなか行けなかったのだが、

 今は学級閉鎖中なので、ちょっと付き合ってやろうかと音楽室へ。

 近づくにつれ、クイーンの曲らしき音が聞こえてくる。
 明らかにバンドの練習をやっている。

 扉を開け全貌を観た。

 いつも来る二人がギターとベースを弾いている。
 ドラムもボーカルもいる。
 まあ演奏はヘタだ。

 イヤ待て、奴ら全員小学生だ。
 破格にウマいじゃん!
 感動である。

 一瞬、「スクール・オブ・ロック」の主人公のような心境になった。

 なにやら、卒業の記念にみんなの前で一発ブチかましたいのだそうだ。
 そして俺は「師匠」と呼ばれ、これからこのバンドのコーチをすることになってしまった。

 「不安げにやらないで全力でやれ」

 これが奴らに言った最初の言葉である。

 いやいや明日のライブを前にいいモンを観た。


 俺も全力でやろっと。

そりゃ、お前・・・

「ぶん投げたら壊れた。」

 そりゃお前、「壊した」ってんだよ。
 そうだ。自らぶん投げるという選択肢を選び、

 自分の意志で破壊につながる強さでぶん投げたのである。
 メインベースはしばらくダメそうだ。

 ところが困ったことに今週から6週末連続でライブなのである。

 そりゃお前、自分で決めたんだろが?
 そうだ。6つのうち自ら積極的に出る方向でメンバーを説得したのは、4つもある。
 自分の意志で自虐につながる予定を組んだのである。

 ははは。
 あはは。
 もうやりきるしかないさ。

 余計なこと考えてるヒマはない。

 今この瞬間からマッハで生きる。

 そりゃお前、こんな日記書いてちゃダメだよ。

メダリストは今?

 都立高校の合格発表があったらしい。

 前任校の卒業生数人がメールで合格を知らせてくれた。

 
 おめでとう!


 毎日のように真っ暗になるまで一緒にサッカーをしたり、初めて好きな人ができたときに相談にのってやったりしたあいつらも、4月からはもう高校生だ。

 そういえば、あいつらを担任してたときは、卒業式の前日まで学級閉鎖だったっけ・・・。
 あの卒業式はもう3年も前か。
 奴らに初めて会ったのは5年も前か。


 勉強が分からない子や、宿題をやってこない子を放課後に集めて、“残リンピック”なんてのもやったなぁ。
 漢字、音読、算数、逆上がり、跳び箱、リコーダー・・・何種目もメダルを獲得したあいつは無事に合格したのだろうか?


 気になる。

至福の偏食ちゃん

 朝教室へ行った。

 なんか子どもたちが少ないような気がする。
 俺の机には連絡帳が何冊も乗っている。
 これはもしや・・・。

 「みんなちょっと席に着け。いいから座れ。」

 ・・・明らかに少ない。それも普通じゃない少なさだ。
 いつものように一人一人名前を呼んで出欠と健康状態を確認する。

 途中、いつものように遅刻大王がやってきた。
 いつものようにうっかりちゃんも外から帰ってきた。

 それでも欠席12人。出席のうち風邪っ引き10人。
 誰が判断してもこれはアウトである。
 とりあえず、給食までは学校にいさせることに。



 当然給食は、12人分余っている。
 デザートのカスタードプリンはお腹の具合が悪い子の分も含めて14個余っている。

 メンチカツは13個だ。

 普段であれば争奪戦が激しく、偏食に対してやや寛容ではない俺は、

 全部食べた子にしかおかわりジャンケンへの参加権利を与えていない。
 しかし、主戦力のくいしんぼう鬼までがインフルちゃんにやられて欠席している始末。

 しかたがないので、
「今日は特別だ。何か残しても良いから好きなモンあげる。」
 と言った。

「ウォー!」
 っと歓声が上がり、神を拝むようなウルウルの目で、
「先生ありがとう!」
 と喜ぶ偏食ちゃん達。

 感極まったのか、
「俺生まれてから今まで食べたものの中で一番おいしかった。」
 などど言いながら、メンチカツを頬張る男の子。
 彼の7年の人生においてまさに最高のひとときである。

「健康って良いなぁ。」
 としみじみ言いながら3個目のカスタードプリンに手を出す女の子。
 食べ物が人々を幸福にした美しい光景であった。


 それにしても自分が元気になったら今度は学級閉鎖になってしまった・・・。
 
 明日からしばらくは給食も独りで食べるのだ。

 いと寂し・・・。

懺悔のブタ野郎Ⅱ

 悪気はなくても人を不快にさせたらやっぱごめんなさいなんだな。

 てなことをここ数日で3つもやらかしている。

 正確には、今までやらかしてたのがここ数日で3つも発覚した。

 知らないでいるより良かったけど、知ってしまうと申し訳ないな。

 ホントにブタ野郎だった。

 どれも反省したって今さらどうなることじゃないんだけど。

 ああ、人はこうして後ろ向きにタイムマシンの開発を夢見るのかな?


 美しくないなぁ。

フジヤマにミサイル

 昨日、友達の“REEFER”というバンドのライブに行った。

 新曲も増えていて、ライブもとても良かった。

 終わった後メンバーと話したのだが、ドラムのシンヤくんはいつも今後のことを前向きに考えている。
 その計画の中にうちのバンドを必ず含めて考えてくれる。
 思えばこの前京都へのツアーに行ったときも、専属ドライバーとして協力してくれた。
 仲間ってのは良いもんだ。

 そしてヒデトくんのトラウマ話は、こんなこと思っちゃいけないのかもしれないが、とても面白くて興味深い。

 そんで“フジヤマにミサイル”という映画のビデオを貸してもらった。
 彼らの曲がふんだんに使われ、出演もしている作品だ。
 さっき観終えて、まず思ったのはとてつもなく悲しいってことだ。

 REEFERの曲は悲しみを増幅させる。
 それはヒデトくんのトラウマのせいかは知らぬが、映画との相性はバッチリだった。
 おかげで今、すごくどよ~んと重苦しい。

 でもホントにいいもんを観た。
 悲しみを背負いながら、なんかを一生懸命やるってのは美しいなぁ。

 また彼らのライブを観て悲しくなったり、元気になったりしたいと思う。

 タイムリーなことにちょうど金曜日に吉祥寺プラネットKで対バンなのだった。

懺悔のブタ野郎

 昨日の日記は美しくないから削除した。

 人を悪く言うことで自分を肯定するのは美しくない。

 掃除中の高学年が先生を呼び捨てで悪く言っている姿もやっぱり美しくない。

 本人の前で言えないのに陰でコソコソしてんのはブタ野郎だ。

 嗚呼、神様、俺はブタ野郎でした。
 これからは、嗚呼、これからは、本人を目の前にして、
「あなたおかしいです。」
 と言うようにします。

 ・・・てなことを思ってみて、果たしてそれが美しいのかを考える。

 ・・・そもそも人を否定している時点で美しくないのである。

 そうだ!神が全てを許すようにそっちのほうをあれして考えよう。

 やりなさいみんな好きなように。
 DIY精神でやりたいことをやりたいようにやりなさい。

 悪口言いなさい。
 陰口言いなさい。
 万引きしなさい。
 泥棒しなさい。
 シンナー吸いなさい。
 殺人しなさい。
 カレーに毒を入れなさい。

 ・・・全然美しくない。

 人間は美しくない生き物だ。と、ブタ野郎は思いましたとさ。